40kmを歩きながら感じたこと。

今年も名護・やんばるツーデーマーチの時期がやってきた。

昨年も参加してて、去年はこんな感想を言っている -> 20kmを歩きながら感じたこと

40kmは20kmの2倍の距離だと思って参加したが違った。

比例的ではなく指数的に落ちていく体力とすり減っていく精神の中、40km歩くのは本当にキツイ。

今年もたくさん感じたことを書いていこうと思う。

出発前

寒いから肉まんが欲しかったが、こんな時間には売っていない。今後この経験は役立てよう。

スタート会場(兼ゴール地点)に到着!しかし真っ暗。0630から歩きます。

今年も名前に「なっちゃん」と書いた。去年は「なっちゃん」と書くことでたくさんの人に話しかけてもらえたので今年も話しかけてもらえるといいなあと思って書いた。

今回のコース紹介

40kmと言ってもどの40kmなのか大事である。

今回の40kmはこちら。

やんばるはすごく自然の豊かなところで前半部分はほぼ山道だ。とにかく傾斜が激しく、なぜわたしは登ったばかりなのに降りているんだという気持ちで山道を歩いていた。

ちなみにgmapsの航空写真で見てみるとこちら

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40kmどんな感じだったか

先に言っておくが、楽しく人が歩けるのは8km(坂道じゃないのなら10km)までだとわたしは考える。

20kmを超えると会話をするのがつらく、自分も声が出せないし、相手の言っていることが理解できなかった。こわいこわい。

一番しんどかったのは天底小学校を超えた真っ直ぐな上り坂だ。この道は1km以上前が見える上り坂で、下から見ると本当にただの絶望でしかなかった。この坂では本当に泣きたくて泣きたくて仕方がなかった。歩いていて泣きたくなったのは生涯初めての経験だった。

坂を登り切った場所であるワルミ大橋(屋我地島に入る直前の橋)はすごく高いところでそこから見た景色は最高だった。

キレイな景色を見て疲れが吹っ飛ぶという言った人はどこの誰か知らないが、わたしは吹っ飛ばなかった。それまでの疲労がおかしすぎる。

20km地点の休憩所ではすでにしんどくてしんどくてたまらなかった。

そこから少し歩いて古宇利島の橋を渡る。

古宇利島は海も空もキレイで風通りもよくだいぶ気持ちが良かったか、だんだん橋の長さに辛さを覚えて友人に「こんなきれいなところだったら飛び降りたい。死ぬならきれいなところで」と言っていた。友人が驚いていたが、そこまで死にたかったのかというとそういうわけではなく、ただただ歩くのをやめたかった。どうやったら歩かずに済むのかとか考えていたらいつのまにか古宇利島の休憩所に着いた。

古宇利島で朝作ってきたおにぎりを美味しい美味しいと言いながら食べて、紅芋ソフトクリームを食べた。

もう幸せだ。さっきまでの気分はどっかにいき、古宇利島に着いた時点で24.3km地点にいることを考えるとあと半分頑張れる気になった。

古宇利島本当にキレイなところなので人生で何度かは行かないと損します。

修学旅行の女子高生が砂浜で遊んでいて本当に近くで見たかった。そんな気力も体力もない自分を恨みながらウォーキング再開。

そこからは屋我地島ののどかな風景(もといサトウキビ畑)を見ながら歩く。道路標識には国道58号線はまっすぐと書いているが、いつまでたっても国道58号線に辿り着かず、これは間違いなんじゃないかと疑い始める。そんな思いをしながらただただひたすらに沖縄本島に戻りたかった。

屋我地大橋もキレイだった。

やっとの思いで沖縄本島に戻ってきた。休憩所が全然なかったので、沖縄本島にもどって一番はじめにあるファミマでカルピスを買う。みんなで気合を入れて国道58号線を歩いて行く。

最後の休憩所の田井等(タイラ)公民館に着く。そこが36.3km地点で残り3.7kmだと最後の気力を入れる。しかし地図上を見て、どうみても残り3.7kmに見えないし縮図間違っているのでは〜とみんなで言い合う。

ウォーキングシューズも合っていないから足裏もやられているし、ふくらはぎも痛いし、自分は地面を蹴れているのか、歩くために足はどうやったら出したらいいんだっけみたいな気分だった。もう意味がわからない。歩いている意味もわからないし、歩き方もわからないし、ただただわたしは早く歩かない環境になりたかった。だからゴールを目指した。

今回のウォーキング大会は16時までが時間制限(ゴール)だった。15:50になり、ゴールまで若干距離があることに焦る。わたしが早歩きをしていたら、クラスメイトに「なっちゃん、走らないの?走らないの?」ことを言われて走った。

約1km走った。まず普段その距離を走れない。39kmを歩いているわたしのどこにそんな力があったのかわからない。だけどわたしは走れた。もう気力。ただただわたしはこれをゴールしないといけないんだという使命感と焦りと今日これができなかったらわたしは何ができるんだみたいな感じの意志が働いていた気がするけど、それさえもあやふや。身体も精神もやられていてわからないけど、とにかくゴールをしようという意志だった。

わたしたちが今回の最後のゴール者だったぽい。走ったときに、ひとりだけ一緒のペースで走れていない子もいたがなんとか彼も間に合った。

今年ももらえてよかった。本当によかった。

ゴールをしてみんなで乾杯をしたレモンティーはすごくすごく美味しかった。ゴールをした後は50mを歩くのも2分かかるぐらい身体が言うことを聞かなかった。

お家に帰るときも自分の身体を足が支えきれていなくて、つらかった。本当につらかった。



40kmどんな気持ちだったか

今年もちえぴー(去年一緒に歩いた子)と歩いた。

はじめはちえぴーといつもどおりしゃべりながら歩いていた。途中で生物の後輩ちゃんと一緒になって歩いた。彼女はとても明るい子で、常に食べ物の話をしていた。彼女がしゃべってくれたおかげもあり、最初の休憩所である8kmまではラクラクだった。

8kmを過ぎたあたりで男子クラスメイト3人と合流した。今回この3人がいなかったらわたしはゴールをすることができなかったかもしれない。どんどんつらくなる身体と山道ということもあり全然喋れなくなっていった。彼らのペースに合わせなければならないという意志のもと身体を動かした。そうじゃないとペースが落ちていってダラダラと登りさらにツライ気持ちを充満させながら歩くところだった。

彼らのすごいところは、ペースを落とさずに歩くこともだが、すごく明るかった。「くだらない話をしてよ」という無茶ぶりに答えてくれる子もいたし、歌を歌ってくれる子もいたし、女子(わたしたち3人)を気にかけてくれる子もいた。すばらしい友人に感謝しながら歩いた。

午後は、後輩ちゃんはクラスメイトと歩くため別れ、お昼を食べたあとは5人で歩いた。ただひたすらに続くサトウキビ畑は面白くなく、いつになったら国道58号線に行けるんだとみんなで言いながら歩いた。そんなときもクラスメイトのくだらない話は続き、歌は歌われ、わたしも無茶ぶりな質問に答えてくれたりで、なんとか歩き続けた。

寮生で席もあまり近くなったことのない友人とふたりでお話することができたのはよかった。彼のお母さんの話を聞いたが、本当にいいお母さんで彼もそんなお母さんのためにいろんなことを考えている話は実に感動的で涙が出そうだったがただでさえ塩分不足だったので我慢した。こういう機会がないとこんな話はできなかったと思うので本当に聞けてよかった。

歩くことを考えたくなかったので、ひとりで将来について考えることもできた。自分のしたいこととかを考えるいい機会になった。

途中途中で弱音を吐いたが、最後のほうで「倒れたらどうしよう」という弱音に「水をぶっかけてやるよ。あとビンタひたすらしてやるから。スパルタだからな」と言われ本気でがんばれた。もう何が冗談で本気かわからなかった。

歩くことをいかにやめれるかを考えたりするような弱い人間だったけど、クラスメイトのおかげでわたしは今回40km完歩することができた。本当にクラスメイトにはただただ感謝してる。

4年メディアは16人参加し(男7/女9)時間内完歩できたのは、わたしたち5人と女バスの女の子だけだった。わたしは普段全然歩かないので40km歩ききれたのは本当に奇跡としか言えず、本当に嬉しい。

わたし一人の力じゃ達成できなかったと思う。というか絶対そう。だけど友だちがいるとできることもあるんだとすごく身を染みて感じた。

わたしももっと友だちを大切にして生きたいと改めて感じた。

また、ウォーキング中やゴール後に、たくさんの方に話しかけていただけた。ウォーキング中はまともな返答ができず(頭が回ってないので)帰ってきた後に話せてよかった。ゼッケンの「なっちゃん」は印象的だったらしく「ゴールできないかと思った!よくがんばったね!ゴールできてよかったよ」といろんな方に言われた。それを聞いてまた泣きそうになった。知らないところでわたしを応援してくれた方もいたらしく、 わたしはその人達の期待に応えることができてよかったし嬉しかった。

今回色んなところにある休憩所には地域の方々がボランティアとして飲み物やお菓子を用意していてくれた。そこで頂いたお菓子は本当に美味しく、あんなに身体に染み渡る黒糖を食べたのは初めてだった。参加者に激励の言葉を送って頂き、「なっちゃんがんばってね」と言われてつらかったはずだが自然に笑みが出た。ボランティアの方々のおかげでがんばれた面も大きく、本当に感謝です。

人の優しさをたくさん感じ、人のつながりは大事だと感じたほっこりした一日だった。

来年も何もなければ40km出たいな。ね、ちえぴー。

番外編

屋我地島にあった面白い看板

やっぱり田井等公民館のあとは3.4kmじゃなかったことを帰ってきて知った。